第7回
パソコン通信とインターネット(1)
パソコン通信やインターネットが普及して、連絡先に電話やFAX番号の他に電子メイルのIDの書かれたものがよく見受けられるようになった。
電子メイルは、パソコン通信やインターネット、LAN環境で、ユーザーが特定のユーザー宛にメッセージを送る機能、また送られるファイルのことで、E-Mailまたはe-mailと書かれることもある。
例えば、本誌編集部のE-Mailアドレスは
CZB00402
またはfwgd6616@infoweb.co.jp
となっており、前者がパソコン通信のNIFTY-ServeのIDで、後者はインターネットのInfowebのIDを示している。
本稿ではパソコン通信やインターネットで最も良く利用されるサービスである電子メイルについて学習し、NTTの電話番号検索サービス「エンジェルライン」への接続や、NIFTYーServe専用のパソコン通信ソフト「ニフティマネジャー」を使って、自分宛にテストメイルを送り、送受信機能を体験する。
代表的なパソコン通信サービス業者とインターネットプロバイダー
国内では、NIFTYーServe、PCーVAN、People、Asahiネット、アスキーネット、日経MIXなどがある。また、米国ではコンピュサーブ、アメリカオンライン(AOL)、Prodigy、Delphi、MSNなどがある。
パソコン通信サービス業者には、上記の大手商用ネットワーク業者のほかに、中小商用ネットや、草の根ネットワークと呼ばれるボランティアのサービス団体がある。これらの中には、小規模だが地域に密着した情報を発信するなど、大手商用ネットにはない魅力を持つネットも多い。
電子メイルでは、パソコン通信とインターネット間の相互接続は以前から行われてきたが、最近ではWWWサービスも受けられるようになってきた。例えば、NIFTY-Serveではニフティマネジャー(Ver1.3以降)からWWWメニューをクリックすると「Netscape
Navigator」や「インターネットエクスプローラ」と連携してWWWに接続できるし、PCーVANやPeopleでは通信ソフト「WorldTALK」だけを使ってWWWなどのインターネットサービスに接続できる。
そのため、パソコン通信業者とすでに契約している場合には、インターネットプロバイダーと新たな契約を結ばなくともインターネット接続が可能である。
パソコン通信の準備
パソコン通信にアクセスするには、ほとんどの草の根ネットの場合は、ゲストアクセスを利用できるので、電話回線とモデムと通信ソフトさえあればスタートできる。
最近は、モデムが標準装備され、統合ソフトにパソコン通信環境が組み込済みになっている機種も多いから、そこからスタートすれば、パソコン通信の世界に容易に参加できる。
ただし、大手商用ネットに加入しようとするとオンラインサインアップなどの手続きを行って正式に加入しなければならない。
1.電話回線
一般家庭の場合、電話回線を兼用で使っていると、電話中はパソコン通信はできないし、逆に、パソコン通信中には、電話が使えない。また、キャッチホンサービスを使っている場合には、パソコン通信中に外から電話がかかってくるとパソコン通信は中断される。長時間のダウンロードの最中にこのような事態になるとそれまでの通信料金と時間が無駄になってしまう。
このような問題を解決するにはキャッチホンサービスを解約するか、最近、サービスの始まったキャッチホンサービスに切り替えるか、あるいはISDN回線に替えるといったいずれかの選択が必要である。
2.通信ソフト
最近のパソコンは何かしらの通信ソフトはインストール済みになっているものが多いからはじめはそれを利用するのもよい。
もし通信ソフトがなかったり、別のものを入手したいときは、最新の通信ソフトをパソコン通信やインターネットでダウンロードすれば入手できるが、それはすでに通信ソフトが動作しているときの話で、これから通信ソフトを動かそうと言う場合には、パソコン通信に精通している友人から、フリーウェアの通信ソフトを譲ってもらうか、パソコン通信の専門雑誌の付録のCDーROMやFDに収められているものを手に入れるかする必要がある。
大手商用ネットは専用通信ソフトを無料で配布している。例えば、NIFTYーServeは「ニフティマネジャー」、PCーVANは「PCーVANナビゲータ」、Peopleは「Guippy」などである。これらの通信ソフトはGUI(Graphical
User
Interface)と呼ばれ、マウスだけで操作できるので面倒なコマンド類を覚える必要がなく、初心者にはなじみやすい。
またフリーウェアにも優れたものがあり、パソコン雑誌の付録のCDーROMやダウンロードで入手できる。
DOS/V用の「WTERM(Windows版は市販品)」、「秀Term」、「Air
Craft」、Mac用では汎用の「areTerm」、NIFTY-Serve専用のオートパイロット機能の通信ソフトとして「ComNifty」が定番となっている。「Comnifty」のオートパイロット機能は、フォーラムなど読む場合に一度使うと重宝で手放せなくなる。
市販のソフトではDOS/V用の「まいとーく for
Windows」、Mac用「Jterm」などがある。
3.モデムとTA
モデムのデータ転送速度は、14.4Kbpsから主流は28.8Kbpsに移ってきており、さらに33.6Kbpsモデムの新製品発表が相次いでいる。また通常の電話回線を利用したモデムでは最高速度になる56Kbpsモデムの開発も進んでおり、1997年初旬をめどに国内市場へ投入が行われる模様である。
一方、ターミナルアダプタ(TA)の低コスト化が進み、ISDN回線「INS64」の利用も選択肢に加わってきた。
「エンジェルライン」に接続
以上の準備ができたら、草の根ネットなどへのゲスト接続は可能になる。IDやパスワードはguestまたは指定にしたがって入力すればログインできる。
NTTの電話番号検索サービスの「エンジェルライン(Angel
Line)」に接続してパソコン通信サービスを体験してみるのもよい。
一般の通信ソフトだけでなく、NTTの配布する「エンジェルライン」の通信検索ソフトが利用できる。このソフトはパソコン雑誌の付録のCDーROMに収録されているものをインストールする。
また、NTTに申し込めば無料で入手できる(フリーダイヤル0120ー104260)。
インストールも通信設定(図1 初期画面)はいたって簡単で、一般のパソコン通信で必要な接続先の電話番号(0190-104104)や、ID、パスワードの入力も必要なく、サービスメニュー画面(図2 サービスメニュー画面)が表示される。
検索は、公共施設名、都道府県名などをプルダウンメニューから選んでゆけばよい(図3 検索結果)。
一般に、電話がつながらない時はトーンとパルスの設定が間違っていて、失敗するケースが多い。プッシュホンは「ピポパ」、ダイヤル電話は「ジジジ」と音が違うので、プッシュホンの場合はプッシュ式(トーン)、ダイヤル電話の場合はダイヤル式(パルス)を選ぶ。
このサービスは電話によるサービス(104)に較べて効率が良いので大いに利用したい。
オンラインサインアップ
大手商用ネットにアクセスするには加入手続きが必要である。
NIFTYーServeに加入するのに、イントロパック(図4 インターネットメイルアドレス)を使ってオンラインサインアップで入会する場合には、課金の支払いにクレジットカードを用意しておく必要がある。
サインアップの画面上でクレジットカードの番号と有効期間の入力を要求されるので、手元にメモを用意しておくてとあわてないですむ。
入力は半角文字が指定されているので、全角文字で入力したりすると失敗するので注意する。
それ以外は画面の指示にしたがって入力してゆけば、間違うことはないだろう。
サインアップによって手に入るIDとパスワードをきちんとメモをしておくことが大切である。
IDは公開するものだがパスワードは絶対に他人に見せてはならない。パスワード入力時の画面は*で表示され、内容が読めないようになっている。パソコンのメモにパスワードを書き込んでおくのは他人に見られやすいし、不幸にしてHDがクラッシュしたときには、何も記録に残らないので、必ず確かな紙のノートに記録しておくことを心がけたい。
IDとパスワードは毎回入力するのは面倒だが、自動実行プログラムにセットしておけば、オートログインで一気にトップメニューを開いてくれる。ただし、パスワードの取り扱いに注意を怠らないようにすることは言うまでもない。
NIFTYーServeのパスワードはこれまで8桁であったが、11月から24桁に拡張され、安全性はいちだんと向上した。
E-Mailアドレス
本誌編集部宛のE-Mailアドレスは
NIFTY-Serve CZB00402
またはfwgd6616@mb.infoweb.co.jpとなっている。
はじめの方がパソコン通信のNIFTY-ServeのIDで、後の方がインターネット・プロバイダーInfowebのインターネットアドレスである。
NIFTYーServe間での宛先としてはCZB00402とすればよいし、同様にインターネット間ではfwgd6616@mb.infoweb.co.jpとすればよい。
NIFTY-Serveからインターネット経由でメイルを送るには、インターネットアドレスの先頭にINET:という文字を付けてINET:fwgd6616@mb.infoweb.co.jpとする。
逆にインターネットからNIFTYーServeにメイルを送る場合のCZB00402@niftyserve.or.jpとすればよい。
NIFTY-Serve以外の他のネットでも同じようなやり方でにインターネットアドレスが設定される。(図5 ニフティマネージャー起動画面)
電子メイル作成上の注意
1.機種依存文字
電子メイルは、パソコンの機種に関係なくやりとりできるが、ある種の文字は、パソコンの機種によっては正しく表示されなくなる。
どんなパソコンでも問題なく読めるメールを書くには機種依存文字は使わないようにする必要がある。
機種依存文字とは、特定の機種でしか表示できない文字のことで、パソコン通信での方言のようなものと考えてよい。機種依存文字は、身内同士には意志が伝わっても、よその人に対しては文字化けなどで意志が伝わらないことになるので、使わないように心がけなければならない。
機種依存文字の例には次のようなものがある。
丸付き数字:@ABなど
ローマ数字:氤。など
特殊記号:燥仲島這芙魔ネど
罫線:─│┌┐┘└├┬┤など
外字
2.半角カナと漢字コード
インターネットとの相互接続が頻繁に行われるようになり、トラブルも頻発しているようである。
インターネットの世界では、半角カタカナの使用は認められていないので、文中や題名に使用することは避けなければならない。
また、漢字はISOー2022ーJP(いわゆるJIS漢字コード)を使用することになっているので、かならずJIS漢字コードに変換してメイルを出すようにしなければならない。それ以外の漢字コード(シフトJIS/EUC)にしたまま、メイルを出すと文字化けを起こしてしまう。
たとえ、社内LANで問題がないにしても、相互扶助のインターネットの世界に新規参加する場合には、基本的約束ごととして心得ておかねばならない。
3.顔マーク
文字では伝えられない感情や気持ちを伝える手段の一つに顔マークがある。
笑顔 :(^o^)
悲しさ:(><)
冷や汗:(^-^;
謝罪 :m(_ _)m
などがよく使われる。
節度を心得て、適当な箇所に用いれば効果的である。
ニフティマネジャーによる電子メイル
NIFTYーServe専用通信ソフトの「ニフティマネジャー」はWindows95用もMac用も供給されてほぼ同じ使い方で利用できる。
ここでは「ニフティマネジャー」を使って、電子メイルの送受信を行ってみる。
ニフティマネジャーを起動すると図6
ツールバーのメニューが表示されるので、<オフライン操作>を選ぶ。一般に、ごく短い文章でもない限り、電話代を気にしながらオンラインで書き込みをすることはない。
ツールバー(図7 アドレスブック)が表示されるので、はじめに<メイル>メニューから<アドレスブック>を開き、IDと名前の登録をしておく(図8 メールウインドウ)。
次に、<メイル>メニューで<送信メイル>を選ぶと>図9(メッセージ作成)のような送信メイルウインドウが開かれる。
1.自分あてのテストメイル
最初は確実に接続されるのを確かめるため、自分宛にテストメイルを書いて送ってみる。
送信メイルウインドウの<ID選択>をダブルクリックすると<送信先ID指定>ウインドウがが開かれる。
送信先として自分のアドレスを選択してコピーボタンをクリックすると送信先に”CXC03441”と入力される。
そこで<OK>ボタンを押すと、IDに”CXC03441”と書き込まれた送信メイルウインドウに戻る。
文中指定の欄は差出人として自分のIDを入力し、<FROM>をチェックする。<CC>にもチェックを入れておけば送信の控えがホストからメイルとして送られてくる。この場合、正が自分宛に送られてくるから、同じものを2通受信することになり、あまり意味はないが通常のメイルでは、送信済みメイルの控えとして活用される。
次に、題名を"Test
Mail"と入力し、本文に”メイルの送受信テストです。自分宛に送っています。”と何でもよいが適当に書き込む(図9 メッセージの作成)。
書き込みが終わったら、送信箱ボタンをクリックすると送信箱に入る。送信ボタンをクリックすれば直ちに送信もできるが、特に急ぐメイルでなければ送信箱にたまった他のメイルと一緒にまとめて送信/受信する。
うまく接続できればすぐに受信トレイに今送ったメイルが送信されてくる。
受信箱のリストに表示されたものをダブルクリックすると受信メイルウインドウが開き、今送った電子メイルを読むことができる(図10 受信メール)。
2.FAX配信
パソコンを持っていないか、パソコン通信のIDを持っていない相手には、FAX番号の頭にFを付けて送り先を指定するとテキストをFAXに送ることができる。この指定法はNIFTYーServeもPCーVANも同じである。
FAX配信は、近くのアクセスポイントに接続すればよいので、長距離のFAXを送る場合には電話代が節約できる。
3.インターネットとの相互接続
もともと電子メイルは、同一ネットの会員同士の連絡手段として開発されたサービスであるが、大手商用ネットの場合、簡単に他ネットと電子メイルの交換ができるようになっている。
また、ほとんどの大手商用ネットではインターネットの利用者との電子メイルの交換ができる。例えば、NIFTY-Serveではインターネットアドレスの頭にINET:を付けるとインターネットに接続できる。
4.送信簿
パソコン通信サービスの場合、メイルはセンターが一元管理している。そのため、送信記録が残るので管理がしやすいし、相手が読んだ場合にはその時刻が送信簿に表示されるので安心できる。ただし、宛先が間違っていて配送ができなかった場合は、システム管理者から配信不能の由を伝えるエラーメイルが返ってくる。
これに対して、インターネットでは、送り手側から相手がメイルを読んだかどうかを確認する手段はない。
どうしても、相手が読んだかどうか知りたい場合は、「メイルが届いたらどうか返事を下さい」と書いておくのが現実的な対処法だろう。
(つづく)
参考文献
1)RFC1468